子どもに伝えたいこと #15

今月10日、岸田総理はシンガポールで開催されたアジア安全保障会議

基調講演で、新たな国家安全保障戦略等を今年末までに策定することと、

日本の防衛力を5年以内に抜本的に強化し、その裏付けとなる防衛費の

相当な増額を確保する決意を表明。

 

このタイミングでの決意表明の背景には、ウクライナ情勢がある。

 

岸田総理は、「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」と

強い危機感を示した。

 

NATOは「加盟国は防衛費をGDPの2%に」という目標を掲げており、

日本の昨年度の防衛費(当初予算+補正予算)はNATOの基準に換算

すると1.24%。 これを2%まで引き上げるとすると、4兆3千億円の

増額となる。

 

安全保障と財政規律のバランスは難しい課題であるだけに、自民党内で

激論が交わされ、「予算の上限を設けると、国防やエネルギー安全保障

などの政策が実現できなくなる」等の意見も出て、最終的には”予算の

歳出上限”の記述は残し、防衛費の具体的な水準の言及を避けつつ、

5年以内と区切る形で防衛力の抜本的強化を表明することになったそう。

 

日本と同様、国防費増額に後ろ向きだったドイツが、ウクライナ情勢を

受けて、方針転換。

 

ドイツの去年の国防費はGDPの1.49%だったが、ショルツ首相は「連邦軍

強化のため国防費をGDPの2%以上とする」と今年2月に表明。 その達成の

ために、憲法にあたる基本法の改正法案をドイツは成立させた。

 

日本はNATO加盟国ではないが、NATOと足並みを揃えようとしていて、

岸田総理は来週行われるG7やNATO首脳会議で、日本の防衛費増額に

ついて表明すると見られている。