子どもに伝えたいこと #12

先月24日にロシアがウクライナに侵攻。 その3日後の27日にロシアの

プーチン大統領は、国防相などに対して、核戦力を念頭に抑止力を特別

警戒態勢に引き上げるように命じた。

 

これに対し、アメリカ国防総省高官は28日に「ロシア側を監視しているが、

プーチン大統領の命令受けた具体的な動きはまだ確認されていない」と指摘。

 

アメリカのバイデン大統領も、28日に記者からの「アメリカ国民は核戦争について

心配すべきか」という質問に、「NO」と答え、ホワイトハウスのサキ報道官も

核兵器を念頭にした挑発的な発言は、思い違いによるリスク招くをおそれあり

危険」と指摘した上で、「アメリカもNATOもロシアと戦うつもりはない。

プーチン大統領の命令を精査しているが、現時点で警戒レベルを変更する理由は

見当たらない」と述べて、冷静に対応する姿勢を強調。

 

プーチンには核兵器の使用を思いとどまってほしいが、プーチンに諫言できる側近が

いないように思える今の状況は恐ろしい。

 

ロシア軍が占拠したと言われているチェルノブイリ原子力発電所に残されている

放射性物質、ロシア軍が悪用しないかどうかも心配。

 

【3月2日追記】

ウクライナのコルスンスキー駐日大使は、NHKの『ニュースウォッチ9』の単独

インタビューの中で、「プーチン大統領ウクライナアメリカに対し核兵器

使うのだろうか」という質問に対して、「もちろんアメリカに対し使うことは

ないだろう。 即座に激しい報復にあうし、アメリカは自国やパートナーの

国々を防衛する能力がある。 ただ、われわれ(ウクライナ)に対してとなると、

核兵器の)使用に踏み切るおそれはある。 非常に危険な行為で食い止めることが

必要だが、プーチンは予測不能だ。 彼の考えは誰にも分からない」と返答。

 

【3月3日追記】

岸田総理大臣は、本日19時すぎからのウクライナ情勢をめぐる記者会見の中で

「ロシアの核抑止力部隊が、警戒態勢を引き上げたことは言語道断です。

唯一の戦争被爆国であり、また被爆地・広島出身の総理大臣として核兵器による

威嚇も、ましてや使用も、万が一にも許されるものではないことを、首脳外交や

国際会議の場で強く訴えているところです」とロシアを強く非難。

 

【3月4日追記】

ウクライナ南東部にあるヨーロッパ最大規模の原子力発電所ザポリージャ

原子力発電所が、ロシア軍により攻撃され、原発敷地内の訓練施設で一時火災が

発生。 火災は鎮火したものの、ウクライナ原子力規制当局によると、

ザポリージャ原発はロシア軍に掌握されてしまったとのこと。

 

攻撃の直前、多くの地元市民や原発職員が、「ザポリージャ原発をロシア軍に明け

渡してなるものか」と原発施設に通じる道に集まり、バリケードを築いていたが、

ロシア軍の戦車などが隊列を組みバリケードを破り侵入したとのこと。

 

ウクライナ原子力規制当局によると、「今のところ放射線量の値に変化確認されず」

「すべての原子炉で、核燃料の冷却機能が維持されている」ということだが、ロシアが

原発を"人質"にとるという前代未聞の事態が起こってしまった。

 

ウクライナのゼレンスキー大統領は、「ヨーロッパ最大の原発が燃えている。

もし核爆発が起きれば、全員の終わり、ヨーロッパの終わりになる。

ヨーロッパからの即座の行動が、ロシア軍を止められる。 ヨーロッパを

核の悲劇で死なせるわけにはいかない」というメッセージを発信。

 

【3月7日追記】

「ロシア軍が、ハリコフの国立物理技術研究所の敷地内にある核物質を扱う施設に

砲撃した」とウクライナ原子力規制当局が発表し、「また核に対するテロを

行った」と強く非難。

 

日本の旧ソ連非核化協力技術事務局によると、この研究所には旧ソビエト時代に

搬入された核物質が保管されているとのこと。

 

ウクライナ内務省は、「核物質のある施設への攻撃は大規模な被害につながる

おそれがある」と警告。

 

放射性物質の漏出などの深刻な被害報告は無いが、変電所が破壊され、

実験装置冷却システムのケーブルが損傷したとのこと。

 

【3月7日追記②】

ザポリージャ原子力発電所は職員により稼働続いているものの、ロシア軍の司令官の

指揮下に置かれているとのこと。

 

6日現在、6基ある原子炉のうち2号機と4号機の2基が運転中で、敷地内の放射線量の

変化は無いとのこと。

 

ただ、ロシア軍が携帯電話・インターネット通信網を遮断したため、平常時の連絡

ルートが使えず、信頼できる情報を入手できない状況とのこと。

 

【3月7日追記③】

先月24日以降ロシア軍が占拠されているチェルノブイリ原子力発電所は、原発職員・

作業員・警備員など200人以上が10日以上にわたって交代できておらず、固定電話や

携帯電話による通信ができない状況とのこと。

 

チェルノブイリ原発では、立ち入り禁止区域内の原発原発関連施設の管理が十分

できていない状況とのこと。

 

【3月8日追記】

IAEA国際原子力機関)によると、8日時点でチェルノブイリ原発に設置された

核物質に関する一部の監視システムからのデータ送信が停止したとのこと。

 

詳しい原因などは明らかにされておらず、IAEAが調査中とのこと。

 

現在、チェルノブイリ原発とは電子メールでのみ、やり取りができる状態。

 

【3月9日追記】

日本時間本日21時過ぎにウクライナのクレバ外相がツイッターで「チェルノブイリ

原発、外部からの電源供給が失われた。 唯一の送電設備が損傷して、すべての電力

供給が途絶えた。 電力供給復旧のため、ロシアがただちに攻撃やめるよう国際社会は

求めてほしい。 予備のディーゼル発電機で48時間は電力が維持できるが、その後は

使用済み核燃料の冷却システムがストップするだろう」と投稿。

 

これについてIAEA国際原子力機関)は「現時点で重大な影響はない」とする見解を

示した。 「使用済み核燃料を保管する専用プールに冷却用の水が十分にあるため

電力供給が停止しているが、冷却機能を維持している」とのこと。

 

一方で、IAEAのグロッシ事務局長は、ザポリージャ原子力発電所に設置された監視

システムからのデータ送信が停止したことを明らかにした。 詳しい原因などは、

現時点では分かっていないとのこと。

 

【3月10日追記】

ロシアのエネルギー省の次官は10日、チェルノブイリ原発が距離的に近い隣国

ベラルーシから電力供給を受けたことを明らかにした。 これによって、原発

施設は電源が復旧したとのこと。

 

ベラルーシのルカシェンコ大統領は、ロシアのプーチン大統領から9日に電話で

電源供給の要請を受け、対応したことを明らかにした。

 

IAEA国際原子力機関)がウクライナ当局から受けた報告によると、電子メールで

連絡取れていたチェルノブイリ原発との情報伝達の手段、すべて失われたとのこと。

 

【3月11日追記】

ウクライナの議会と原子力規制当局によると、ハリコフにある核物質を扱う国立

物理技術研究所が10日、ロシア軍から再び砲撃を受けた」と発表。 この研究所は

今月6日にもロシア軍からの攻撃を受けていた。

 

【3月13日追記】

IAEA国際原子力機関)のグロッシ事務局長は12日、「ザポリージャ原発をロシア

国営の原子力企業”ロスアトム”が、完全かつ恒久的に管理しようとしていると

ウクライナ側から報告を受けた」という声明を発表。

 

ウクライナ国営の原子力企業の報告では、ザポリージャ原発はロシア軍司令官の

指揮下にあり、およそ400人のロシア兵士がいるとのこと。

 

ロスアトムの代表はグロッシ事務局長に対して、ロスアトムの専門家がザポリージャ

原発にいることは認めたものの、原発の運用は掌握しておらず、管理体制に組み込む

意図も無いと伝えたとのこと。

 

【3月14日追記】

IAEA国際原子力機関)のグロッシ事務局長は、チェルノブイリ原発について

「損傷した送電線の一部を修理したことで、外部からの電源供給が復旧した」と

明らかにし、「原発の安全確保に向け、IAEAとしてさらに迅速に対応していく必要が

ある」と考えを強調した。

 

【3月15日追記①】

ウクライナの電力会社が「ロシア軍の攻撃によって、チェルノブイリ原発の送電線が

損傷した」と発表していたが、IAEA国際原子力機関)のグロッシ事務局長は日本

時間の今朝「外部からの電源供給が可能になった」とする声明を発表。

 

また、グロッシ事務局長はザポリージャ原発について、「ロシア軍が敷地内で

弾薬を爆発させたとの情報を把握している」と発表。

IAEAとしてウクライナ側から情報収集を進めているとのこと。

 

【3月15日追記②】

国連のグテーレス事務総長は、14日の記者会見で、ロシアのプーチン大統領

核戦力を念頭に抑止力を特別警戒態勢に引き上げるように命じたことに言及した

上で、「背筋が凍りつきそうな動きだ。 かつて考えられなかった核兵器を使った

紛争が起こりうる状況だ」と強い危機感を示し、改めて即時停戦を呼びかけた。

 

【3月27日追記】

IAEA国際原子力機関)は、原発の技術者たちが住むチェルノブイリの近くの町

スラブチッチがロシア軍に掌握されたと明らかにし、原発の技術者たちが

スラブチッチに住む同僚たちと交代できないまま数週間にわたって働き続け、

原発の安全に関わる機器の修理や保守を通常通りできなくなっていると懸念を

示した。 技術者の交代は21日までに1度行われて以降はなく、次の見通しが

立っていないとのこと。

 

【3月28日追記】

チェルノブイリ原発周辺の立ち入り禁止区域で31件の森林火災が起き、1万ヘクタール

以上が焼損し、周辺で放射性大気汚染のレベルが上昇しているとのこと。 ウクライナ

議会によると、ロシア軍による砲撃か放火により森林火災が起きているとのこと。

 

【3月29日追記】

ウクライナ原子力規制当局は28日、ハリコフの国立物理技術研究所がロシア軍による

攻撃を再び受けたと発表。 施設に深刻な被害が出たとしているが、激しい戦闘中の

ため、「詳しい被害の程度や安全性への影響は分からない」とのこと。

 

【4月1日追記】

外務省が昨日、ウクライナの地名表記をロシア語の発音由来のものからウクライナ

由来のものに変更すると発表。

 

キエフからキーウ。 オデッサからオデーサ。 ドニエプルからドニプロ。

ハリコフからハルキウ。 チェルノブイリからチョルノービリ。 etc.

 

【4月4日追記】

チョルノービリ原子力発電所を占拠していたロシア軍、昨日(4月3日)の夜に

完全に撤退したとのこと。 ただし、ウクライナ側の捕虜をロシアへ連行して

いったとのこと。